拒むなら~模擬戦しよう~ホトトギス

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「お、おい、巧」(ボソボソ) そう言って、俺に小声で尋ねてきたのは、アザゼルさんだった。 「はい、何ですか?」(ボソボソ) 「俺からのご褒美って、一体なに考えてんだ?」(ボソボソ) 「いやいや、ただの口実ですよ」(ボソボソ) 「口実!?」(ボソボソ) まぁ、負けるつもりないし、ちょっと試したいこともあるし。 「それに、ちょっと人の力の恐ろしさを味わってもらおうと思ったんですよ」(ボソボソ) 「お前、悪魔だな」(ボソボソ) 「いえいえ、俺は人間ですよ。それにアザゼルさんも俺がどんだけ力を持ってるか、知りたいでしょう?」(ボソボソ) 「……」 無言って事は、肯定してるんだな。 「ところでどこで、戦うの?」 お、レイナーレは、やる気か。でも…… 「まあ待って下さい、レイナーレさん……リリィ、準備よし?」 「うん……銀十字!」 『了解』 次の瞬間、俺の前に『銀十字の書』が現れた。 「「「っ!?」」」 ……堕天使さん達がとても驚いているな。 「さて、レイナーレさん、アザゼルさん、バラキエルさん、行きますか」 「「「い、行くって、どこに?」」」 わーお、まさかのシンクロ。 「あ、そーだ、アルトリア、玉藻、恋」 「「「はい、何ですか?」」」 「「「ちょっと、お留守番、頼める?」」」 流石に、無人にするわけには、いかないからな。 「仕方ありませんね、帰りにたい焼きを奢って下さいよ。タクミ」 「行ってらっしゃいませ、ご主人様!」 「……待ってる」 ……ありがとな。 「じゃ、行って来まーす!……銀十字、コード【楽園『パラダイス』】、承認!」 『コード【楽園】……承認』 「「「ウオオォォッ!?(キャァァァっ!?)」 そう言って、俺は、悲鳴を上げている堕天使さん達を連れて、銀十字の書に吸い込まれた。 巧side終了 アザゼルside 「こ、ここは、どこだ!?」
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