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そうして私達は真っ暗な道を歩くことになった。
「「・・・・・・」」
ダメだ。何かしゃべんないと!!
私は、かれこれ10分になる、この沈黙に耐えられず、声を発した。
「先輩って、菜々のこと好きなんですか?」
とっさに思いついた事をそのまま声にしたら、先輩は立ち止まって、
「はぁ?」
と、いつもでは聞けない声が聞こえた。
「どーしてそーなるわけ?俺、菜々ちゃんが好きなんて言ったっけ?」
ん?なんか怒ってる?
「え、なんか・・・怒ってます?」
おそるおそる聞くと、先輩は
「まぁ、怒りたくもなるよね。こんなに鈍感だとは思ってもなかったし?」
と、滅茶苦茶低い声で私に返答してくる。
私は、本能的にヤバいと察した。
「ご、ごめんなさい?」
「なんで、疑問形なの?」
いやいや、なんで近づいてくるんですか?
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