第4話

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私の怒声が効いたのか、亜貴はブツブツ言いながらも教室に散乱しているゴミを片付けた。 「じゃ、ちょっと茶番が入ってしまったが、緊急ミーティングを始めようか。」 茶番という言葉に、亜貴は身を竦めた。 「俺らが出場する冬のIH予選が来週にあるのは知ってるな。」 全員で静かに頷いた。 そう、私たちが目指している【夏冬インターハイ(IH)カップ】では強豪校が集まる試合のこと。 夏と冬、両方の試合結果で最終的に県内での順位を決める。 この最終順位でベスト5に入れば、全国大会の切符が手に入る。 夏の大会で1位になれば、シードとして冬の大会に出れた。 けれど私達、帝邦高校の夏のIH予選・準決勝・決勝の結果は、2位という何とも悔しい順位で夏のIHは幕を閉じた。 冬では4位以下になると、全国大会は絶望的になってしまう。
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