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「ハッ…… 」
私、稲場 伊織(イナバ イオリ)は、ふと目をさます。
いつもの見慣れた研究室。
……の、仮眠用のベッドの上。
「……もう朝か……」
私は、傍らに掛けてある白衣を身にまとい、ボサボサの髪を纏めて眼鏡をかける。
「ふぅ…… よく寝た……」
しかし、まだ軽くフラフラする。
昨晩の一人祝杯で飲んだ酒が、まだ抜けていないようだ。
なんで、祝杯をあげたかと言えば、長年求めていたモノが、ついに完成したからだ。
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