第1話

18/25
213人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
どういう意図があって俺を生徒会に入れたいのかは知らねぇ。要所要所で加減してんのもバレてるみたいだ。 でも、負けるつもりはねぇ。 化け物だろうがなんだろうが、相手は女だ。一発殴れば泣くだろう。そうすりゃ俺の勝ちだ。 正直殴るのは気が引けるが…。 「だから言ったろ、俺に勝ったら入ってやるってな」 「そうですか、ならば、致し方ありませんね」 五メートルほど前方にいたはずの会長は、いつの間にか隣にいて、 何も反応出来なかった俺は、顔面を襲う強い衝撃を認識した所で、プツンと意識が途切れた。  ▲ 「……ッ!?」 ふと意識が戻り、反射的に体を起こした。 初めて見る場所。多分学校の中の教室の一つだろうか。 辺りを見渡していると、唐突に頭に痛みが走る。ズキズキと連続する痛みに顔を歪める。 真横に顔がある事に気付いたのは、その直後だった。 「どぅわっ!!?」 顔とは反対方向に逃げる。しかしその先に床はなく、情けない声を上げて俺は落下した。 背中からモロに落ち、背中をさすりながら顔を上げる。俺がさっきまで寝ていたのは長テーブルの上だったようだ。 長テーブルの向こうに、一人の人間がいた。目を向けると、丁度下半身が見える。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!