第1話

10/25

213人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
靴を履き替え、茅滝と一緒に校舎を出る。 「おい、そこの赤髪1年」 門を通ろうとした所で、後ろからそんな声が聞こえた。赤髪1年、辺りを見渡さなくても誰の事を言っているのかすぐわかった。 立ち止まり、振り返る。男がざっと10人ほど立っていた。 「偉く気合い入った頭だなぁ、なんかのマンガのキャラのマネか?」 一人の男の言葉に下品に笑う周りの男たち。そんな連中をグッと睨み付ける。 「…あ?なんだその目は。腐れ1年」 「……」 参ったな、来るとは思ってたけど、よりによって茅滝のいる時に来やがるとは…。 「そっちのオカマはなんだ?お前の彼女か?いや彼氏か?」 「オカッ…!わっ私は女だ!」 「あ゙ぁ!?誰にタメ口聞いてんだオラ!」 「っ…!」 ビクッと体を震わせ、茅滝は一歩後ずさった。 小さく息をつき、茅滝の前に立つ。茅滝に男たちが見えないように。 「こいつはただのクラスメイトだ。関係ねーのに絡んでんじゃねーよ」 「…おいおい、威勢がいいなガキ。この人数を前にしてビビってねーとはよ」 「友達たくさんいないとケンカも売れない奴に、なんでビビる必要があんだ?」 俺のその言葉に、男たちがキレた。よってたかって汚い暴言を大声で撒き散らしてやがる。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

213人が本棚に入れています
本棚に追加