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花壇から降り、俺と男たちの間にまで歩いてきた。
「大勢で新入生に絡むのはもちろん悪い事ですが、あなたの頭にも問題がありますね」
「…自覚はある」
「染め直す気はないのですか?」
「ない」
生徒会長の質問に、即答。
会長の向こう側にいる男たちが何やら焦っている様子が見える。何に対して焦っているのか知らないが。
「あなたは…わたくしが何者なのかご存知で?」
「生徒会長だろ?」
「ご存知でありながら、タメ口ですか。元気がいいですね。しかし、学生たるもの、上下関係はしっかりしておかないといけませんよ?」
「大人に対してなら弁えてるが、たかが1年2年早く生まれた奴らにペコペコする気はねーって思ってるんで」
俺と会長の会話を聞いて、さらに焦り出す男たち。少し離れた後ろでも、茅滝が何かあわあわ言っている。当然理由がわからない俺は、気にしない方向で考える。
「うふふ、やっぱりわたくしの見立て通り、あなたは面白いですわ」
クスクス笑う生徒会長に怪訝な目を向ける。
「では、こうしましょう」
「あ?」
「あなたは腕っぷしに自信があるようですが、所詮は井の中の蛙。わたくしには到底及ばないでしょう。という事で、一つ勝負しましょう。あなたが勝てばわたくしは何も言わずここから去ります。が、わたくしが勝った場合………あなたには、生徒会に入ってもらいます!」
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