第1話

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スカートを穿いている、つまり女だ。顔はよく見えなかったからどんな奴かはわからんが…。 と内心密かに警戒し、テーブルの下から女を見ていると、不意に女はしゃがみこんだ。それにより顔を確認する事ができた。 黒のセミロングの髪に、幼さのある顔立ち。しゃがんでいるものの、かなり小さい事はわかった。中学生……下手したら小学生に見えそうな女だ。 女も女でしゃがみこんだまま、テーブルの下からこっちをじっと見つめてくる。唇は真一文字に結ばれ、全く開く気配がない。 つか………見えてる…パ、パンツ見えてる…真っ白いパンツが見えちゃってる…! ヤバい…!このアングルはマジでヤバい! よって、俺は意識を反らすためにこう口を開いた。 「…だ、誰だ…?お前…」 「……生徒会役員書記、立花葉波」 「…生徒会…役員、書記?お前、生徒会!?」 コクリと頷く生徒会書記、立花葉波。こいつはあのクソッタレの会長の仲間……いや、部下。それとも手先…? ……つか、落ち着いてよく考えたら、俺、あの女に負けたのか…?こんな所で寝てたって事は……。 思い出せるのは、会長が一瞬にして距離詰めて来て、それを目で確認した瞬間に…多分殴られたんだ。 殴られたと思う左頬を擦る。そして、ふと疑問に思った。 ……俺の頬って、こんなに膨らんでて熱かったっけ…?
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