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―――生徒会役員、錦瓦 祭とかいうオレンジ女は机に突っ伏してしまった。
「同じ学校だったのに…そりゃ、クラスは一度も同じじゃなかったけど、何度か話したりもしなのに…なんで忘れるかな…私そんな影薄いかな…」
なんかブツブツ言っているが、聞き取れないので触れない事にした。実は副会長だった立花葉波が錦瓦祭の背中を擦っているのを見ながら次の質問へ行く。
「今さらだけど、ここどこだ?」
「…生徒会室」
立花葉波の返答は、大方予想はついていた。他の教室よりも小さくいこの空間に副会長がいたし、まぁ、他にも思い当たる節しな。
そして、最も聞きたいのがこれだ。
「あいつは……生徒会長はどこに行った?」
質問の直後。
「わたくしならここですわよ!」
バーンッ!!と、スライド式のドアを勢いよく開け、そいつは姿を現した。
黒髪にウェーブをかけ、気品な雰囲気と貫禄を纏った女。
「わたくしが恋しかったのですか、河上くん?」
「……あぁ、ヘドが出るほどにな」
「それはどうも」
ひきつった笑みを浮かべ、声が自ずと低くなる。ピリつく空気が小さな教室を漂い、さっきまで突っ伏してブツブツ言っていた錦瓦祭は顔を上げた。
「テメェにやられて俺の面はこんな事になっちまったよ」
「ごめんなさい、許してください」
なめてんのかこの女。
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