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「すみませんでした」
綺麗な姿勢で謝罪する会長を見下ろしながら、殴られた頬を擦る。
幸い昨日殴られた頬とは反対側だったからよかったものの、同じ頬を殴られたら堪らねぇぞ。まだ腫れが引かねぇってのに。
「さて、どう落とし前つけようか…」
「ぅ……」
「とりあえず、一発殴らせろ」
「おっ!女の子を殴るなんて最低ですわよ!そっそういえばあなた、昨日もわたくしになんの迷いもなく拳を振り抜いていましたね!?」
「加減してたの見抜いてただろお前。心配すんな、ちゃんと手加減する」
「そ、そうですか」
ホッと息を吐く会長。安心の仕方がわかりやすいなこいつ…。
「んじゃ、行くぞ。歯ぁ食いしばれ」
「……えっと、手加減、してくれるんですよね?」
「ああ。昨日お前の腹に叩き込もうとしたくらいの力だから安心しろ」
「全然痛いじゃないですかっ!わたくしは女の子なんですよ!?女の子を殴るなんて男として恥ずかしいでしょ!?」
「考えが古いな会長さん。今時の男は、男女平等なんだぜ?」
「う~…!でも、でもぉ…!」
「もう許してあげなさいよ河上。会長も反省してるんだから」
錦瓦が会長に助け船を出した。会長はわかりやすく錦瓦に感謝の顔とキラキラした眼差しを向ける。
「……はぁ、わぁった。今度からはちゃんと連絡しろよ」
「もっもちろんですわ!」
会長は錦瓦に何度も頭を下げている。ホントにこいつ、生徒会長なんだろうか…。
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