第2話

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ため息を吐き、とりあえずカバンを門に立てかける。大変不本意だが、俺は会長に負け、生徒会役員になった。やらなきゃいけないなら、やるしかない。 「…優しい」 ギリギリ聞き取れるくらいの小さい声のした方に目を向けると、副会長の立花葉波が無表情でこちらを見ながら立っていた。 ありえない言葉が聞こえたので、眉をひそめながら尋ねる。 「……何が?」 「…明らかに雪音が悪いのに、簡単に許した。だから優しい」 雪音ってのは、会長の事か?そういやこの二人親友だったっけ…。 「別にンな事ねぇよ。あのオレンジ女が止めに入ってきて、めんどくさくなったからやめただけだ」 「…それでも、すんなり許した」 「……別に、すんなり許した訳じゃ…」 「何をのんきに喋っていますの?挨拶をしなさい庶務さん」 立花副会長と話している途中で生徒会長に注意された。 元はお前のせいだぞ、お前の。 「…挨拶しよう」 「……あぁ、はいはい、やりますよ」 ぶっきらぼうに言い、話も途中ながら、俺と副会長は今もなお挨拶している会長と錦瓦に並んで立った。 …つか、挨拶運動ってただ生徒連中に挨拶するだけだろ……今さらながらめんどくさくなってきた…。
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