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一人一発ずつ拳か蹴りを叩き込み、一分経たずに圧勝した。
地面に横たわって呻いている男たちの制服は俺が着ているのと同じ物。つまり同じ学校という事だ。恐らく先輩だろう。
絡んできた理由は、多分俺の頭だ。
サイドを刈り上げた赤髪の頭。中学ん時に気合いを入れよう、周りに舐められないようにしようと思いだってした頭だ。
ま、そんな事はどーでもいいので男たちはそのまま放置し、再び学校へ向かうため歩を進めた俺だった。
「まぁ、いい腕っぷしですわね。これは期待できそうですわ」
遥か後方でさっきの光景を見てそんな事を口にしている人物がいるなんて、俺は全く気づかなかった。
▲
大々的に貼り出された新入生のクラス表を見て自分のクラスを確認し、自分の名前の書かれた下駄箱に靴を入れ、新品の上履きを履く。
「新入生の方ー、教室の場所を記載したプリントを貰ってくださーい」
階段下で女子生徒数人が紙の束を抱えながら言葉を発している。もちろん教室の場所なんて知らない俺はその紙が欲しいので貰いに行く。
「新入生っす」
「あ、はいどうぞ………ひぃ!?」
渡す直前で俺の顔を見た女子生徒が小さな悲鳴を上げた。
これまた予想していたリアクションだな…なんて思いながら、
「プリント」
「………はっ、ははははいどうぞ!!」
涙目になりながら渡された。受け取って階段を上がる俺の後ろで女子生徒たちがヒソヒソと話している声が聞こえたが、気にしない事にした。
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