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『おはようございますっ』
「おはようございまーっす」
『おはようございますっ』
「おはよございまーっす」
『おはようございますっ』
「はようござまーす」
『おはようございますっ』
「ざーっす」
「こらぁッ!!」
「ぼげはっ!!?」
またもや会長に殴られ、俺は宙を舞った。
「挨拶を疎かにしてはいけないと教わらなかったのですか!?ちゃんとしなさいっ!!」
「いちいち殴んなッ!めっちゃ痛ぇんだぞお前のパンチ!この馬鹿力女!!」
「ばっ…馬鹿力女ですって…!?あなたがいい加減な挨拶をするからでしょう!!」
「うるせぇ!何が挨拶だ馬鹿馬鹿しい、やってられっかクソッ!」
「あっちょっと待ちなさい河上くん!!まだ挨拶運動は終わってないんですよ!?」
そんな事知らん。とも言わず、無視してカバンをひっ掴んで校舎に向かった。
イライラのあまり熱り立って不機嫌一色の顔になっていると自覚しながらも、上履きを履いて下履きを下駄箱に投げ込む。
早歩きで教室まで来ると、さっさと自分の席に座る。周りが何事かと視線を向けてくるのを感じた。
「……ンだよ」
唸るように睨みながら言うと、慌てて顔を背けるクラスメイトたち。その光景にも苛立ち、窓の外に顔を向ける。
「偉くご立腹だねながっち」
「だわはッ!!?」
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