第1話

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パイプ椅子に座り、校長のながったらしい話を聞き流し、在校生代表と新入生代表が壇上に立ち、何か話してる。 「噂だけど、ここの生徒会長。なんかすごいらしいよ」 隣に座る茅滝が小声で言ってきた。偉く漠然とした噂だな。 壇上で新入生代表にマイクを使って話しているのは、なんと女子。この学校の生徒会長は女子なのか。 黒色で、ウェーブがかかった長い髪。凛とした顔付きの女だ。左腕には『会長』と書かれた腕章が付いている。 「綺麗な人だね」 「ん?んん…」 「おや?もしかして見とれてた?」 「アホか」 「こらそこ!うるさいぞ!」 男の教員に指を指されて怒られた。 「怒られちった、テヘペロ」 「………」 ………反省してね~…。 舌を出す寝癖女に冷ややかな視線を送っていたため、俺は気付かなかった。 壇上に立つ一人の女が、俺を見て不敵に笑っていた事に―――。  ▲ 「はい、じゃあ今日はここまでです。気をつけて帰ってくださいね」 麻咲先生のその言葉を合図に、クラスの連中が席を立ち、次々と教室を出ていく。 俺も残る意味がないので、さっさと帰る。 「ながっち~!帰りどこか寄ってこーよ~!」 後ろから近づきながら聞こえる声に、渋々振り返る。
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