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二十歳の誕生日ぐらい、まともな恋人とディナーを一緒にとりたいと、
昔からそう思っていたが、やっぱり、急にバイトが入った。
結局、大事な記念日にもかかわらず、食事の相手は店の常連のビンタンさんと、
とるはめになった。
ハルカは屋上のカフェを出て、エレベータに乗り、ビルから一足外へ出ると、
夕方のラッシュアワーの人波に紛れ込むようにして裏道をすり抜け、
待ち合わせの場所へ辿(たど)りつく。
ビンタンさんはハルカを待ち構えていたようにハイテンションでジャンプしながら、
「お、おめでとーっぅううう」と、言う。
ハルカは一瞬身構える。
顔をこわばらせもしたが、すかさず笑顔を造る。
ありがと、と、鼻にかかった声で答えた。
「あ、忘れてるぞおー」
と、ビンンタンさんが言うので、
あ、わすれちった。ごめん、ごめん、と、ハルカは言って、
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