第2話

2/10
前へ
/10ページ
次へ
 広いアスファルトの大地が一面、雪の原野となって、嵐の後の静かな朝に 強い陽光を照り返す。  空は蒼く澄み、雲は一つも見えない。 澄んだ大気をより一層研ぎすますように、風は冷たかった。 ハルカは生まれてから16歳の今まで、このアメリカの大地で育った。   ニューヨークから電車で1時間程の距離で、小さな町だ。  日本人が多く居住する地域で、日本人学校も近くにある。  ハルカは父親の意向で全日制の日本人学校へは通わず、現地校に通い、  土曜日だけ、日本語補習校で授業を受けている。 TVのテロップには、昨夜の大雪で休校になっている学校名がひっきりなしに 流れている。 これじゃ、明日の補習校も休みかなぁ? ハルカはふと、考えると、少し憂鬱な顔を浮かべた。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加