第2話

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目に入らないらしく、二人で、野球や、フットボールの話をしていたので、 仕方なく、レジに戻ると、老婦人のヤマシナさんがちょうど買い物かごをレジに置いたところだった。 「あら、ハルカちゃん、元気そうね」 ヤマシナさんが、そう言うので、ええ、まぁ、と、だけ言い、振り向いて店の外をちらっと、覗(のぞ)くと、もう、そこにはシュウヤはいない。   「ハルカちゃん?」    え? なんでしたっけ? 「もう、嫌ね、その年でぼけちゃ、困るわ、わたしなんか、ちゃきちゃきしているのに」  そう、老婦人は言って笑う。     「今日、お魚はないのかしら?」  え? 何ですか? お菓子? 「もう、ちょっと、ハルカちゃん、しっかりしてよ、お魚よ、オサカナ!」 お刺身はあったと思いますけど……。 「もう、煮魚用よ、ヒラメとか、ないのかしら……」    ちょっと、ひらめは……。
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