第2話

6/10
前へ
/10ページ
次へ
老婦人がハルカの顔を見て、後ろを振り返り、また、ハルカの顔を見る。  ハルカはそそくさとレジを打って、買い物かごの品物全部をビニールの手提げ袋へ入れると、  “ありがとうございました。” と、早口に老婦人に言って、ちょこんと頭を下げた。 「いいえ、どういたしまして」 ヤマシナはそう言い、レジ袋を持って、そそくさと店から出て行った。 ハルカが照れた仕草で、エプロンを直し、さっきから、ぼうっと立っている シュウヤを見る。 シュウヤは段ボールの箱を二つ抱えている。 「これ、どこに置けば良い?」 あっけにとられたようにハルカが、え? それ? どこでも良いんだけど、じゃ、そこに置いといて……。 「うん、」と、だけシュウヤが答える。 「なんで、シュウヤがその箱持ってきてるの?」 思わずハルカが訊(き)く。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加