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シュウヤとハルカが話していると、店の奥からハルカの母親がやって来て、
「ハルカ、ご飯よ」と、話しかける。
「あら、シュウヤ君、来ていたの? よかったら、うちでご飯食べて行かない?
後でおばさんが送って行ってあげるから、今日はカレーなの」
「いや、いいです。そんな、悪いし、早く家に帰らないと」
「遠慮しないでいいのよ、みんなで食べたほうがおいしいし」
「いや、ほんとに帰らないと、自転車で来ているから」
「そう? じゃ、仕方がないわね、また、今度。せめて福神漬ぐらい、持って行きなさいよ、お母さんに」
そう言って、ハルカの母が、手に持っていた小袋を差し出す。
「えっと、じゃ、ありがとうございます」
シュウヤがそう言うとハルカの母は微笑んで、シュウヤ君はほんとに素直ね、
うちのハルカとは大違いよ、と、ハルカの顔を見て言う。
「もう、うるさいな」ハルカが小声で言う。
ハルカの母が、また笑い、じゃ、シュウヤ君気をつけてね、今夜は大雪みたいだから、と、言った。
「ええ、そうですね、おばさん達も気をつけて」「じゃ、……」
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