第15話

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「……していません。虐めてません! なにかの間違いです」 秋山は涙目になり、訴えた。 「ほぅ? みーなさぁーん! 秋山君が虐めをしているのを、見ましたかぁ~? 報告したものは、先生が特別に目をかけてやろう。 良く言うだろ? 嘘は泥棒の始まりってさ。そんなスタートを切る生徒を、見過ごすわけには、いかないだろぉ? それともなにか? 秋山は虐めをしてませんと、庇う生徒は、いるのかなぁ?」 猿田はグルリと教室を見渡した。 「先生、秋山君は山田さんを虐めています!」 思い切って先陣を切ったのは、神谷だった。 「ほう……やはりな? 神谷君は、とっても正直者だ。さぞかし将来優秀な大人になるだろう。他には、いるか? 見た者は、いるか?」 「見ました! 秋山は虐めています!」 秋山君の大切な友人、鶴が、次に叫んだ。 「あーちゃんも見ました! 男として最低ですぅ!」 晶子は、体をクネクネさせ、その意見に直にのった。 「そうだ、そうだ! 秋山さいてぇー!」 須見君は比較的、るいも嫌ってるからなんとなく分かる。 ――でも、こんなに簡単に仲間を裏切るとは思いもしなかった。皆、私を嫌っていたのに。 「鶴……お前は俺の親友だと思っていたのに……晶子や須見まで? お前ら酷いよ! お前らだって!!!!」 秋山は、この流れに冷や汗が額に滲み、立ち上がった。きっとこんな思いは、生まれて始めの経験だろう。 ――秋山君。私は毎日のように、こんな気持ちになっていたんだよ?
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