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「秋山、どうやらお前が虐めたのは間違いないな? もう言い訳出来ないだろぉ? お前をかばう人間は、1人もいないじゃないか??」
秋山はギリギリと、無言で歯軋りを繰り返した。
「お前の母親は……ああ、キャバ嬢だったな。くくくっ」
教室がざわついた。生徒達全員、そんな情報は初耳だった。
「まぁいい。お前は放課後、居残りだ。その根性を叩きのめしてやるかな! 今日のホームルームは以上だ。次の教科の準備をするように! あきぃや~まぁ~。放課後、楽しみにしておけ」
猿田は、そう告げると満面の笑みで教室を退出した。
「……山田ぁー! どういうことだよこれは! 猿田に告げ口したのかよ!」
秋山は涙目で私を睨んだ。それは、昔の私の姿でもあり、少しだけ哀れんだ。でもそんな思い、たった1秒くらいの情だった。
「秋山君? なにを勘違いしてるのか知らないけど、私は告げ口していないわ? 告げ口と言う言葉が出る事態、認めたという話だと思うけど? 今の発言、猿田先生に聞かせてあげたいくらいよ」
「調子に乗りやがって! このバイ菌!」
狂気の色が入り混じる瞳……なんで私は、こんなに怨まれなきゃいけないの?
「私、秋山君が嫌いなわけじゃないの。みんな同罪よ……親友に裏切られたのは、お気の毒だと思うけど。
私は信じられる人さえいない。だから分からないけど、その気持ちは計り知れないモノなんでしょうね。でもそれは私のせいではない!」
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