第15話

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 中華のスープの肉団子を、スプーンでじれったく転がした。 「綾、それ食べないの? じゃあ、いただきぃー!」 「あ!」 るいは、肉団子を掬い上げ、口にパクリと放り込んだ。 「うめぇ~! 綾、好き嫌い多いの?」 「ち、違うわよ! 食べれるわよ……」 いつも、るいのペースに巻き込まれる。このまま、甘えてしまおうか? でも……気兼ねなく、こうしていたかったのに。 「5時間目、うちのクラスがプール開きだな。綾の水着姿見たいんだけど、やっぱ今年もさぼり?」 「な、なんてことを言うのよ! ……入らないけどね」 泳ぐのは不得意だった。プールだけでも憂鬱だったのに、水の中で攻撃されたら、耐えられそうになかったからだ。 「猿田が担任になってからは、入らないもんな? ふふっ。ちょっとだけ、空が曇ってきたなぁー、寒いのかな」 プールの日は、いつも雨が降ればいいなーと思っていた。あの消毒臭い匂いも苦手だった。 「大雨になれば良いのに……るい、あのさぁ……猿田がいる前では話掛けないで。迷惑がかかるから」 虐めがなくなっても、まだまだ暗い気持ちは続いた。いつになれば晴れるんだろう。 「まだそんなことを言っているの? 分かったよ、うまくやるから。トレー貸して、俺が片付けてあげる」
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