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神谷の後姿が消えたのを見送ると、るいへと視線を戻した。
「るい、冷たい態度取ったら可哀想だよ。2人とも親友同士なんでしょ?」
「なんでそんなふうに言うわけ? 忘れたの? あいつ、綾を襲ったんだよ。怪しむのは当然じゃん……神谷は友達だと思ってるよ。でも、俺は綾のほうが大事なんだよ!」
突然の怒鳴り声に、私はビクリと体を強張らせた。
教室に響いた、るいのいきなりの告白に、女子の視線は、より一層狂気の色を目に宿す。
「ちょ、ちょっとるい……」
「ごめん。冷静になるため、ちょっくら図書室にでも行って来るわ。わりぃ」
怒らせてしまった。私はまた、教室に一人ぼっちになってしまった……。
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