第15話

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 ――朝の食卓。昨日の惨事を引き摺り、暗く、無言が多かった。 トーストをかじり、朝御飯を楽しみたいのに、そんなムードは一欠けらも無かった。 テーブルに載っているサラダを見ては、顔にぶつけられたことを思い出し、フォークでレタスを突き刺した。 「綾ちゃん、昨日はごめんなさい、取り乱してしまって……もう2度と同じことは、繰り返さないわ、許して頂戴ね」 目の前に腰を掛けているりんは、刺激しないように言った。 「綾、お父さんも悪かったよ。変な風に巻き込んでしまって、昨日の事は忘れよう?」 父は私の顔色を伺い、控えめに言った。 「……」 ――忘れられるはずないじゃない。もう遅い!  心の中で呟いた。
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