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気持ちがしんみりとしながらも、ガタガタと目の前の机を、元の位置へと戻した。
――なんで襲われた神谷君の言うことを、信用してしまったんだろう……やっぱりまだ、心のどこかで、首を絞められたあの出来事が、引っかかっているのね。忘れなきゃ。るいは優しい人間なんだから……。
もう一度席に座り、起こった出来事を頭に浮かべ、ぼんやりと回想を繰り返した。
すると、ふと、教室が妙に慌しいのに気がついた。ナップザックのようなものを掴むと、皆どこかに消えて行く。
そうだった。次は、気が重いプールの授業だった。
見学だけど、タオルを用意して、チャイムが鳴る前に向かわないとね。
校舎の2階には、別館を繋ぐ細い渡り廊下があった。ここを通行すると、体育館に辿り着く。こちらの建造物は、3階建てになっていて、1階は朝礼でも良く使われている室内運動場。
2階はシャワー室や、更衣室、授業で使われる道具の収納部屋などもあった。
バスタオルを手に持ち、長い渡り廊下を憂鬱に歩いて行くと、クラスメイトが楽しそうにお喋りをしながら、すれ違う。
キャ、キャッ、キャッと楽しそう。
――いいなぁー。あんなふうに話せれば、重苦しい気分も軽くなるのになぁ……あ、水着の生徒が上へともうあがってる! 私も急がなきゃ!
「今年もサボりか? 水着姿を見に来たんだが」
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