優しくしないで-1

5/9
前へ
/40ページ
次へ
私は涼太に電話しようか悩みながら、部屋の中を歩き回っていた。 ピンポーン。 え? まさか、涼太じゃないよね? またピンポーンとインターホンがなる。 私は玄関へむかった。 心臓がドキドキいってる。 ドアをあけると、そこには涼太が立っていた。 「なんだよ、家に帰ってたんなら、連絡してくれればいいのに」 いつもと何も変わらない涼太の笑顔。 胸がチクッと痛む…。 「あ、ごめん」 涼太の目を見ることができずに、私は目線を落とした。 「どうかした?」 ああ、なんで眠ってしまったんだろう。ちゃんと考えておくんだった…。 「んん、何でもないよ。寒かったでしょ?入って」 私は平静を装いながらそう言って、涼太を部屋へあげた。 台所へむかい、涼太と自分のコーヒーを作りはじめた。 「んで、どうなの?秘書の仕事は」 涼太は荷物を置いて、ソファーに座った。 「うん。今はなんとか慣れてきたよ」 「そっか…。なんか、ホントすんごい久しぶりだなぁ、なるの部屋」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1484人が本棚に入れています
本棚に追加