優しくしないで-1

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涼太の顔が一瞬強張るのがわかった。 「は?どしたの、急に」 涼太は、またコーヒーを飲んだ。 私は、涼太の前に座り、なるべく落ち着いて話し始めた。 「今日の仕事は、社長の会合の付き添いだったんだ。…場所は○○○ホテル」 涼太はコーヒーカップをテーブルに置いた。 まだ、私しゃべらないとダメ? 「そこの一階で、帰り際、レストランが目に入ってさ、……涼太と美雪さんが一緒に出てくるの、見ちゃったよ…」 ここまで話しても、涼太は黙っていた。 涼太は、なんて言ってくるだろう…。 なんでもいいから、はやくしゃべって…。 しばらく沈黙が続いた。 私は、たぶん言い訳とかされるんだろうなって思っていたんだけど…。 「…そっか。…でも、すごいな。社長の会合ってああいうとこでやるんだな」 私は顔をしかめた。 「涼太、私真面目に聞いてるの。ちゃんと答えてよ」 やめてよ。せめて、何か言い訳して! 私は顔を落として、テーブルのコーヒーを見つめた。 「ごめん」
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