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涼太の顔が一瞬強張るのがわかった。
「は?どしたの、急に」
涼太は、またコーヒーを飲んだ。
私は、涼太の前に座り、なるべく落ち着いて話し始めた。
「今日の仕事は、社長の会合の付き添いだったんだ。…場所は○○○ホテル」
涼太はコーヒーカップをテーブルに置いた。
まだ、私しゃべらないとダメ?
「そこの一階で、帰り際、レストランが目に入ってさ、……涼太と美雪さんが一緒に出てくるの、見ちゃったよ…」
ここまで話しても、涼太は黙っていた。
涼太は、なんて言ってくるだろう…。
なんでもいいから、はやくしゃべって…。
しばらく沈黙が続いた。
私は、たぶん言い訳とかされるんだろうなって思っていたんだけど…。
「…そっか。…でも、すごいな。社長の会合ってああいうとこでやるんだな」
私は顔をしかめた。
「涼太、私真面目に聞いてるの。ちゃんと答えてよ」
やめてよ。せめて、何か言い訳して!
私は顔を落として、テーブルのコーヒーを見つめた。
「ごめん」
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