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「あっはは…」
怒りとか、悲しみとか、こういうときって出てこないもんなんだろうか…。
自分の鈍感さに、笑ってしまう。
誰にでも告白されたら付き合っちゃうの?
ちょっと好意があれば、その子を抱くの?
簡単に愛してるってささやくもんなの?
私は、涼太の何を見てきたの?
「…なる…、俺、なるのこと好きだよ。ただ、こういうかんじになっちゃったけど、美雪とは…」
「やめて!」
しゃべらないで。
「なる…」
「私の名前を呼ばないで…」
涼太が私を見てる。
私も涼太を見つめた。
泣かない。
涼太に涙なんか見せない。
終わるときって…、こんなにも呆気ないもんなんだろうか。
きっと私はこの先、涼太と一緒に暮らして、結婚して、子供を授かって、…当たり前のしあわせを手にいれるんだとばっかり思ってた。
こんなにも簡単に、手からすり抜けていく…。
もう、私の心は…涼太から離れていた。
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