優しくしないで

2/4
1818人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「涼太、もう帰って…」 これ以上一緒にいても、私が虚しくなるだけ。 「…」 涼太は何も言わずにソファーから立ち上がった。 朝はすごく楽しみにしていたのに…。 一日の中で、こんなに気持ちの落差が激しい日を経験したことがない私は、正直、疲れていた。 涼太が荷物を持とうとした。 ピンポーン。 いきなりインターホンがなり、沈黙を破った。 こんなときに誰? 「誰だよ?」 涼太が私に聞く。 「…知らない」 私は、涼太にぶっきらぼうに答え、玄関へむかった。 「どちら様ですか?」 私は玄関をあけた。 そこに立ってる人を見て、私は目を丸くした。 「社…長……」 なんで? なんできたの? 私がびっくりしていたら、社長は手に持っているものを差し出した。 「おまえ、カウンターのとこに置きっぱなしだったろう」 それは、私が朝きていたコートと、仕事用のバック。 ああ、すっかり忘れてた…。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!