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「涼太、もう帰って…」
これ以上一緒にいても、私が虚しくなるだけ。
「…」
涼太は何も言わずにソファーから立ち上がった。
朝はすごく楽しみにしていたのに…。
一日の中で、こんなに気持ちの落差が激しい日を経験したことがない私は、正直、疲れていた。
涼太が荷物を持とうとした。
ピンポーン。
いきなりインターホンがなり、沈黙を破った。
こんなときに誰?
「誰だよ?」
涼太が私に聞く。
「…知らない」
私は、涼太にぶっきらぼうに答え、玄関へむかった。
「どちら様ですか?」
私は玄関をあけた。
そこに立ってる人を見て、私は目を丸くした。
「社…長……」
なんで?
なんできたの?
私がびっくりしていたら、社長は手に持っているものを差し出した。
「おまえ、カウンターのとこに置きっぱなしだったろう」
それは、私が朝きていたコートと、仕事用のバック。
ああ、すっかり忘れてた…。
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