HARLOT―Ⅰ―-2

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「……ハーロット?」 マリオネットが顔をのぞき込んできた。 心配してくれてるのだろうか。 無表情でわからない。 「私……嫌だ」 「何が?」 「この家にずっといるの……嫌だ」 「直に慣れるわ」 「慣れたくなんかない!!」 私は声を張り上げた。 「抵抗するだけ無駄よ。安心して。感覚が麻痺して、この生活が普通に思えてくるから」 「……私はあんたと違う」 諦めない。 絶対、諦めない。 「無駄よ」 「無駄なんかじゃない!」
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