HARLOT―Ⅰ―-2

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「マナーに厳しいの?あのおっさん」 「結構ね」 ――ガチャ 遠くでドアが開くような音がした。 マリオネットはパタパタと走り、リビングを出て行った。 ……夕方、おっさんが帰ってくる時間帯くらいにドアの前で待ち伏せしてて飛び出るっていうのも一つの手か。 いや、私、足遅いから無理か。 大の男に勝つ自信は全くない。 ……包丁を持ってって刺すか。 殺さなければ正当防衛になるだろう。 ならなくても……刑務所は何年か経てば出れる。 ここみたいに、永遠に出られないわけじゃない。
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