HARLOT―Ⅲ―

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冗談のつもりだった。 いつも通り『さあ』と言われるものだと思ってた。 でもマリオネットの反応は違った。 「ハーロット」 「何?」 「あなた――自分の本名覚えてる?」 言われてから気付いた。 ……言えない。 ハーロット以外自分の呼び名が思いつかない。 私はマリオネットの目を見た。 「でしょ?」 マリオネットは私の目を見て、答えがわかったのかそう言った。 「でも……私は諦めてない。絶対ここから逃げるんだ」 そう言ったらマリオネットは肩をすくめた。
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