美音

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『よくわかんないけどそうしてみたら?』 そう言うかのようにリッキーは少し困り顔で、でも、私をじっと見てきた。 「じゃあ行こっか。」 そう言った瞬間、リッキーが唸り始めた。 上体を低くし、攻撃態勢になる。 「どうしたの?私何か変なことした?」 「君は何もしてないよ」 後ろから男の声がした。 バッと後ろを振り向く。 「初めまして」 スーツを着た、二十代後半くらいと思われる男が立っていた。 「やっと会えた……僕のイブ……」 男はそう言いながらいきなり、布を私の口に被せてきた。 私は薄れゆく意識の中、リッキーの吠える声を聞いた気がした……。
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