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「……そうだった、な」
マスターはポツリと言った。
「サン、君は似ているだけでイブ本人ではない。それを忘れるとこだった。――離しなさい、マリオネット。もう落ち着いたから」
マリオネットは言われた通りスッとマスターから手を引いた。
「取り乱してしまって済まなかった。だが――ルールはきちんと守らなきゃいけないよね?サン」
マスターはそう言って私の顎を掴んだ。
「敬語。使わなきゃ駄目だよ?」
嗚呼。
哀れな人。
この人……他人の愛し方を理解していないんだ。
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