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「……お姉ちゃんが日記を書いてた事は知ってた?」
私は尋ねた。
「……僕が君を連れてくるときに君が読んでいたものかい?」
体は棺に抱きついたまま、顔だけこちらに向けてマスターは言った。
「それよ」
「……読まずに燃やしてしまったから何が書いてあったかは知らないよ」
「あれがお姉ちゃんの日記だって知ってたから燃やしたんでしょ?何が書いてあるか、怖くて見れなかったんでしょ?」
私がそう言ったらマスターは黙ってそっぽを向いた。
「肯定してるって受け取るけど。当然っちゃ当然だけど、家にはあなたとお姉ちゃんが駆け落ちする前までの日記しかなかった」
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