SUN―Ⅵ―

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「あ……」 カタン 何かを落としたような音がした。 「マリオネット?」 私はマリオネットに問いかけながら後ろを向いた。 マリオネットの目線の先――キッチンのカウンターの向こうの空間、つまりリビングには……マスターが立っていた。 「人間、何かに集中してると注意力が散漫になるものだよね」 ニッコリ笑いながら、言う。 ニッコリ笑ってるのに……ちっとも、恐怖心が拭えない。 「う……あ……」 マリオネットは後ずさり、食器棚にもたれかかった。
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