それぞれのさよなら―Ⅲ―

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久々に出た、外。 見渡す限りの、木、木、木。 山の中か森の中なのだろう。 街灯も無いくらいだし、ここら辺に住んでるのはマスターくらいなのかもしれない。 外にはマスターの物と思われる車が停めてあり、そして――車が1台通れるくらいの道があった。 私は今、そこを走っている。 マスターが追いかけてきたら、木々の間に隠れようと思いながら走ってきたのだが、車の明かりも見えないし、エンジン音も聞こえない。 マスター本人が走ってくる可能性も考えたが、この暗さだ。 懐中電灯くらい持ってくるだろう。
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