それぞれのさよなら―Ⅲ―

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足の裏に強烈な痛みを感じて立ち止まる。 地面が砂利道になっている。 舗装……されているようだ。 前を見ると、ぼんやりと外灯が光っているのが見えた。 足の痛みを我慢して走る。 皮肉なことに、マスターのおかげで痛みに堪えることは得意になっていたから、平気だ。 『私有地につき、立ち入り禁止』 外灯の下には看板があった。 こんな看板あっても意味がないのではないかと思ったが、別にそれを破って山の中に入る理由もない。 ほとんど人は来ないに等しいのだろう。
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