それぞれのさよなら―Ⅱ―

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……もう、追い掛けても無駄だろう。 僕は走るの自体は遅いわけではないが、長距離走は苦手だ。 車で追いかけたところで、木々が生い茂る方に逃げられたら降りて追うしかなくなる。 そうしたらマリオネットを捕まえられる可能性は低くなるし、むしろ僕が誰かに見つかってしまう可能性すら浮上してくる。 ……ここまで、か。 まさかマリオネットとサンがここまで互いのことを思っているとは思わなかったからなあ……。 でも、所詮はエゴイズムでしかない。 マリオネットは、見捨ててきた人が増えたことで罪悪感に苛なまれるだろう。
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