それぞれのさよなら―Ⅱ―

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「あなたの負けね……」 口から血を垂らしながらも、サンは悪態をついてきた。 「僕の負け?死にそうなのによくそんなことが言えるね」 「私は死んでも構わないもの。あなたに従う不自由な生活を強いられるくらいなら、ね」 そう言って、口の端を少し上げる。 笑ったつもりだろうが、痛みで顔が引きつっているため、そうは見えない。 「2人で逃げるって決めたもの。マリオネットはこの家を出ることで逃げることが出来た。私は死ぬことであなたから逃げるわ」 そう言ってから、ポツリと付け足した。 「お姉ちゃんも、私と同じ方法で逃げたんじゃないの?」
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