それぞれのさよなら―Ⅱ―

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僕に逆らうこともなくなった。 僕から逃げることもなくなった。 そんな君の『カラダ』を抱きしめながら僕は泣いた。 僕に優しくしてくれた。 笑ってくれた。 愛してくれた。 そんな『ココロ』は僕の元から永遠に去った。 わかっていた。 『カラダ』を朽ちないようにしても意味のないことくらい。 ただ、認めたくなかったんだ。 だから代わりを捜した。 イブの代わりになる人。 あわよくば、僕が純粋に、心から愛せる人を。 ――コトン サンの手が、床に落ちる音がした。
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