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かがんで、サンと向き合う。
向き合うと言っても、サンの顎は床についてしまっているので、かがんでも見下ろす形となるのだけれど。
「君さあ、マリオネットを救ったつもりかもしれないけど、あの子はこれから辛い現実と闘わなきゃいけないんだよ。僕が嫌だったにしてもさ、ここで一緒に死んだ方がマシだったんじゃないのかい?」
サンは荒い呼吸をして、僕を睨むだけで返事をしない。
もう、話すことも出来ないのだろう。
ズルッ……
顎が横に滑って、右耳が床にぺったりとつく形になった。
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