それぞれのさよなら―Ⅱ―

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まだ、呼吸はしている。 が、体がいうことを聞かないのだろう。 自分の意思ではどこも動かせず、あとは死に行く運命に身を任せるしかない。 その姿は醜く哀れだが、何故か、生きているということをこの上なく感じる。 「サン、君に最後の命令をするよ。もし、イブに会ったら言っておいてくれ」 彼女が天国にいるのか地獄にいるのか。 サンが天国に行くのか地獄に行くのか。 そもそもそんなものが存在するかもわからない。 けど、言っておいて損はないだろう。
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