それぞれの行方

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「自分の名前、わからないんです……。その……ずっと違う名前で呼ばれてたから」 警察なら何があったか察してくれると思い、違う名前で呼ばれていたことを付け足す。 「……あなたが倒れていたところには、あなたの足の裏から出た血痕がポツポツと残っていました。その跡を辿って行くとその先には私有地になっている山がありました。その上にある家にあなたは監禁されていた。……それで間違いありませんね?」 私はこっくりと頷いた。 「……なんて、酷い」 実際に現場を見てきたのだろうか。 女の人はポツリとそう漏らした。
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