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「で……。一体、何だね?」
響がそう言うと、一年生は見る見る瞳を輝かせた。
「あ、あのう。遠乃会長のファンになりました!僕と付き合って下さい!」
響は一瞬、両目をパチクリさせて、口元を嬉しそうに歪めた。学はメガネを人差し指で上げ冷静に見ている。
「う……」
勿論、響は『うん』と答えようとした。全く深く考えていない。考えるほどの恋愛スキルもない。
「君。自分の名も名乗らずに、いきなり付き合えとは些か失礼ではないか?しかも、初対面。もう少し考えてから行動した方が良いと思うが」
学は一年生にそう言ってから、響に囁く。
「会長。相手をよく知りもせず付き合っては、ますますカンパニーには誰も相談に来ないでしょう」
「えっ!?どうして?」
響は全く理解しない。
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