第1話

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「わ、分かんないよぅ」 「……でしょうね」 「でしょうねって何よ。でしょうねって」 「会長はあの日、学園に来る途中、メガネを落としたとヒビだらけのメガネをしていました。視力0.1もない会長があの日、出会った人間の顔を識別できた訳がない」 学は冷静に語った。 そう。新入生が入試の日、響のメガネはヒビだらけ。外せばもっと視界は悪く、かけていても見えにくい。 「そうだ。あの子がぼんやりしている所に自転車が来て、ぶつかりそうだから引っ張って……コケた。そうか、そうか」 響はウンウン頷き立ち上がる。
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