20人が本棚に入れています
本棚に追加
「わ、分かんないよぅ」
「……でしょうね」
「でしょうねって何よ。でしょうねって」
「会長はあの日、学園に来る途中、メガネを落としたとヒビだらけのメガネをしていました。視力0.1もない会長があの日、出会った人間の顔を識別できた訳がない」
学は冷静に語った。
そう。新入生が入試の日、響のメガネはヒビだらけ。外せばもっと視界は悪く、かけていても見えにくい。
「そうだ。あの子がぼんやりしている所に自転車が来て、ぶつかりそうだから引っ張って……コケた。そうか、そうか」
響はウンウン頷き立ち上がる。
最初のコメントを投稿しよう!