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「ようし、初対面じゃないなら……付き合ってみるか。子供は望んでないって言ってたし」
「は……?」
学の瞳がキラッと光る。
「冗談、冗談。香山君の意見を聞いて、まだまだ恋愛不足だと気付かされたよ。このままでは『スキスキ・カンパニー』の存続に関わる」
「会長。お言葉ですが、存続もなにも……」
勿論、学は『認められていない』と続けたかったのだが、響は全く聞いていない。
「今から蔦乃屋書店に行って恋愛不足を補わなくては……。良い、香山君。明日の私は香山君に負けない恋愛マスターになってるから、そのつもりでいてね」
響は会長席にコミックを広げたまま、にこやかに手を振り、そして、いそいそと出て行った。
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