第2話

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「ウーム。流石にコミック全二十五巻をいきなり買い揃えたら重たいな」 響は本屋の紙袋をこれでもかと運んでいる。 本日は入学式。地球温暖化の影響で桜前線は通り過ぎ、花見のシーズンももうすぐ終わる。 ハラリ、ハラリと桜は舞い降り、公園に向かう道は花びらの絨毯。 「それにしても、香山君にはしてやられたな。よくよく思い出してみれば、どのコミックも付き合ったその日に子を産んだ者はいなかった」 ウンウンと頷きながら歩いてる。響は知らない。学がどれだけ全校の女子に人気があるのか。近くにそんなイケメンが存在しているのに、さっぱり理解していない。
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