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「大丈夫?」
少年は響に手を差し伸べる。
「大丈夫じゃない。キミのおかげでこちらはカンパニーの運営が危ぶまれた」
響は少年の手を払いのけ、ゆっくりと立つ。野暮ったい黒縁のメガネを外し、涙を拭う。
「フーン。クウじゃなくてそっちか」
少年はクスリと笑うが、メガネをかけていないので、響にはぼんやりとしか見えない。
「そっちかとは何だ!そっちかとは!私は確かに恋愛経験がない。だがな、世の中はこんなに恋愛に満ちているんだ。その協力を生徒会がせずに、どうする?」
響は『こんなに……』のくだりでぼんやり見える散らばったコミックを指差した。
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