第2話

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コミック全二十五巻。響は拾い集めるのがやっとの自分に気が付いた。 下を向いた瞳。そこからレンズの距離は近い。ポタポタと零れ落ちる涙がレンズに溜まり、見えなくする。 学にも『スキスキ・カンパニー』の設立は否定された。それを押しのけ自分を信じた。今でもそれは変わりなく、恋愛経験が不足しているならば、もっとたくさんのコミックを読み補えば良い。 勉強だって、そうしてきた。別に両親に勉強、勉強と言われた訳でもない。ただ、一問でも知らないこと、解らないことがあれば、もっとたくさん勉強をして、次は百点に近付くようにと参考書を読み補ってきた。 そう。恋愛も勉強と同じ。 知らなければ、分かるように学べば良い。たくさんのコミックを読んで――。
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